小学校に上がる前の小さな子どもが、楽しそうにラクガキしている姿は、とてもかわいい光景ですね。
私も広告チラシの裏にひたすら、動物や恐竜、ウルトラマンなど手あたり次第、描いていたものです。
うまい下手なんかおかまいなく、ただ、ただ描くこと自体がよろこびであったあの頃・・・。
ラクガキこそ、子どもの絵心の原点だと思います。
ただ、この時にひとつだけ、気を付けてほしいことがあります。それは・・・・・・
なるべく、幼児にはボールペンや鉛筆などで絵を描かせない
ということです。
幼児にペンが向いていない理由
「え?どうしてですか?うちの子はペンで楽しそうにかいてますけど?」
と思う方も多いでしょう。
なにしろ家にある筆記用具で一番多いのが、ペンですものね。
しかしシュタイナー教育では6歳ごろまでは、なるべく知的な力を刺激して伸ばすような教育(いわゆる早期教育)をしないようにすすめています。
小さい頃から計算や漢字などを教えるのではなく、からだを使った遊びや自然とのかかわり、歌やおどり、絵本の読み聞かせをたくさん体験することで、豊かな感性や健康な心が育つ、と教えています。(もちろんスマホやゲームは論外ですよ!!)
逆に、この時期に知識的なことを詰め込むと、短期的には天才小学生と呼ばれるかもしれませんが、二十歳を過ぎてから心に脆さや精神が不安定になる危険があるといいます。(これを知的な早産といいます)
そういえば、小さい頃からガリ勉させられ高学歴を誇る人に、心を病んでしまう人やアンバランスな人が多いような気がします。
もちろん、あくまでこれはシュタイナー教育の考え方ですから絶対真実!というわけではありません。
ただ、私は教育者として子どもをずっと見ていて、その考え方はとてもしっくりきます。
そんな中、細い固い線で輪郭線をくっきりかいていくというのは、実はずいぶん大人っぽい、知的な方法です。
輪郭を描くというのは、大人が「絵を描く」といえば最初に思いつく方法ですが、そもそも自然界には輪郭線というものは存在しません。
実はかなり抽象化された、理知的な方法だということを知っておいてください。
もちろん子どもも、ほとんど線で絵を描きますが、同じ線でも細いペンではなく、ふんわりした柔らかい素材で、そのまま色となじんでいくような画材が適しているのです。
おすすめの画材はなに?
じゃあ、どうすればいいの?といわれたら、実は答えは簡単です。
単にペンや鉛筆の代わりにクレヨンを渡せばいいんですね。
私のおすすめは、シュトックマー社製のみつろうクレヨン。
私が教師になって以来、常に教材として常備し、わが子を育てた時にも、普段の授業でも使い続けているすぐれものです。


シュタイナー幼稚園や小学校では必ずといっていいほど使っていますし、大人でも十分使えます。
特別支援学校でも使っている教師は多く、昔は入手しづらかったので、私がドイツに行くときにまとめ買いして渡していましたが、今ではネット通販や大きな文房具店で入手できます。(世界堂などの画材店にはありません)
このクレヨンの特徴は、3つあります。
①みつろうでできており、ベタベタしないので手が汚れない。
②みつろうのいい匂いがして殺菌作用もあり、口に入れても大丈夫という安全性。
③透明感があり、塗り重ねても色が濁らない発色の良さ。
スティックタイプとブロックタイプの二種類があり、どっちも欲しいところです。ブロックタイプはまだ、棒を握れない子どもや、手の不自由な子どもにも握りやすく、広い面積をザラッと塗るのに、とても適しています。
私もカードづくりや、ポスターを作る時なんかにサララ~と、一塗りしてアクセントにしたりしています。

スティックタイプはいわゆる普通のクレヨンと同じですが、フォルメン線描の練習の時に使います。
フォルメンは鉛筆でもいいのですが、これで描くと、とてもきれいなので、ずっと取っておきたくなるんですね。

このクレヨンで子どもが好きなように、らくがきをすればいいのですが、一つシュタイナー幼稚園の先生に教わった楽しいお絵かき方法の方法を紹介します。
まとめ
幼い子どもには、知的な刺激が強いペンやえんぴつは使わせない方がよいです。
どうせ画材を与えるなら最高級のもの、みつろうクレヨンを買ってあげましょう。
手に入りにくければ、普通のオイルパステルや、クレヨンでもいいです。クーピー色鉛筆は、まあ悪くはないといったところでしょうか。
エンピツやボールペン、サインペンは小学生になってからで十分間に合いますよ。
という記事でした。
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