いよいよ、これから、具体的に絵が上手くなるカリキュラムを紹介していきたいと思いますが、その前に目を通しておきたい「5つの原則」を紹介します。
5つの原則リスト
私が子どもや大人に絵の描き方を教えるとき、必ず守っている原則があります。
自分が絵を学ぶにしても、子どもに教えるにしても、これを知らないと、どこかでつまづいたり、遠回りする可能性が増えますので、是非、一読してください。
逆に言えばこれさえ押さえておけば、どんな方法をとったとしても、いずれ絵は上手くなるはずです。
それでは、まずリストを挙げてから、一つ一つ説明していきます。一般的な常識とは正反対のものもありますので、注意してください。
原則その1「比較しない」
原則その2「失敗させない」
原則その3「個性を重視しない」
原則その4「道具を厳選する」
原則その5「作品を尊重する」
原則その1「比較しない」
比較とは、他の誰かと比べることであり、学校で言えば「評価」のことです。3とか4とか数字を付けることは正確に言えば「評定」といいますが、ややこしいので評価で統一します。
公立学校であれば、学習指導要領に従い、各授業の成績はつけなければいけません。
美術では評価不要論もありますが、今のところ義務とされています。
過去には、相対評価と言って、1~5までの評定がある一定の割合で定められていました。
簡単に言えば、30人のクラスで、美術が5の子どもは3人、4は5人、2は3人とか、あらかじめ決まっていたのです。
ペーパーテストで客観的に順位がつく教科ならともかく、美術作品は先生の好みや主観に左右されることが多く、図工や美術の評価は昔から教師の悩みの種でした。
同時に、子どもたちにとっては納得できない評定が、不満の原因となり、美術嫌い、図工嫌いになるきっかけのナンバーワンでした。
私が出会った多くの方が、小学校や中学校で自信のあった作品に予想外の低評価を受けたことがトラウマになり、それから「絵が苦手」「才能がない」「美術と関わりたくない」と思うようになったと、いいます。
現在は相対評価から絶対評価(他人との比較ではなく、到達度で成績を付けるやり方)極端に言えば、クラス全員が満点ならば全員5でもよい)に変わりましたが、結局のところ教師は今まで通りバランスよく優劣をつけようとしますので、2の成績をつけられた生徒は相変わらず、苦手意識をもつようになるのです。
これに対しての対策はたった一つであり、単純明快です。
「比較・評価しない」
誤解しないで欲しいのですが、評価しないといっても、いわゆる放任主義、絵を見て何も言わないのではありません。
できた作品は、全精力をもって分析し、査定し、どこがよくて、どこが足りないか、作者ととことん話し合い、一番必要と思われる知識や技術を教え、導くことは基本です。
しかし、その時、他の誰かと比較する必要は全くありません。
「ここは、とてもいい。ここは、こうした方がいいよ」と教えるのはいくらでもしていいのですが
「君の絵はクラスで24番目だから、成績は3ね。もっと○○くんを見習いなさい」と言う必要はないのです。
それがどれだけ、子どもの心を傷つけるか、絵心が閉ざされるか、多くの教師は知らなすぎます。
「でも、上手い人の絵や歴史的名画から学ぶことだってあるでしょう?」
それは、もちろんあります。
しかし、あえて他人に言われなくても、子ども自身が「あの絵が上手い、いいなあ」と思えば、自分から真似をしようとします。
実は模写というのは、絵のトレーニングの中でも最も効率が良いものの一つです。
子どもが憧れをもって、過去の遺産を模倣するとき、それは最良の上達法になります。
でも、それは決して、押し付けてはならないのです。
評価しないというのは、こういうことです。
5つの原則の中でも、もっとも優先されるのはこれだと思います。
これが守られていないと、一番大切な「絵を描こうとするモチベーション」つまり、絵心があまりにも簡単につぶれてしまうからです。
「絵を描きたい気持ち」さえ生きていれば、どんな方法でもいずれ技術は身につきます。誰かに比較されたり、評価されたりする必要はないのです。
原則その2 「失敗させない」
これも、少し説明が必要ですね。
多くの習い事、学習、スポーツにおいて『失敗したくやしさをバネにして上達する』『失敗は成功のもと』という言われ方をします。確かにそういう場合もあるでしょう。
ところが、絵に関してはまず、“失敗をさせてはいけない”のです。
なぜなら、絵を描くということ、そして自分の作品を人に見せるということは、他の分野に比べても非常にデリケートなことだからです。
もちろん、少数の「もともと絵の上手い子」や、自らプロになろうとどんどん訓練している子どもはその限りではありません。
失敗しても、どんどん次を描いて、反省し進歩していくたくましい「絵心」を持った子どもは、ある意味、放っておいていいのです。
問題は、大多数の「それほど絵の上手くない子」「描きなれていない子」「苦手意識をすでに持ってしまった子」です。
幼児期は、なぐり書きでも、お絵かきでも、楽しく描いていて何を描いても褒められていたのに、ある時期から急に絵が描けなくなります。
小学校中学年から中学生にかけて、いわゆる「写実志向」という変化が起こります。
簡単に言えば、「そっくりに描ける」「見たものをそのまま、リアルにかける」ことが周りからも要求されるようになります。
また、自分自身でも「本物そっくりの絵がいいな」「リアルに描きたい」と思うようになるのです。
おもしろいことに、ことに美大出身の美術教師の方がこの写実志向を否定しがちです。その原因はいろいろあるのですが、近代以降の芸術が、リアリズムを否定したところから出発しており、彼らはそれを叩き込まれているのが大きな要因です。
→実は美術教師にも絵心がない理由
話はそれましたが、絵がそれほど得意でない子どもにとっては、一度の失敗が致命的になることがあります。
しかし、ふつう、いきなり写実的な絵を描こうとすれば、ほぼ100%失敗します。これはみなさんの中にも、覚えがある人がいるのではないでしょうか。
いつもの例でいえば、三輪車に乗っていた幼児が、いきなりロードレーサーにのれば倒れるのと一緒です。
では、どうすればいいのでしょうか?
答えは一つ。段差の低い階段を作るのです。
高さ、2mの壁があるとしましょう。運動神経のいい子なら、ジャンプして飛びつき、体を引き上げて壁をこえることができるでしょう。
しかし、そうでない子、筋力もない子もいれば、身長の低い子、体重が重い子もいます。
そんな時、全員が壁を超えるにはどうすればいいのか。
段差が15センチの階段をつければいいのです。一歩、一歩、誰でも登れるスモールステップ(小さな階段)を作る。
もちろん余裕がある子は、二段飛ばしで駆け上ってもいい。
けれど、どんな子どもでも登れるくらいの段差を設定していく。つまりカリキュラムを作ること。
それが、指導者の力量であり、非常に重要な役割です。
また、その段差は登った後に、ちゃんと高くなったと自覚できるものでなくてはいけません。
山を登っている時、ふと振り返るときれいな景色が見えて「うわあ、いつの間にかこんな高くまで登ってきたんだ!」と思うことがあります。
それと同じく、絵においては一枚描けば、一段上がったと思える「成功体験」の積み重ねが必要となります。モチベーションが上がるからです。
つまり、失敗させないこと。失敗のしようがないくらい、簡単な課題を用意すること。これが大切なのです。
絵心を伸ばす為には、これを満たしたカリキュラムに沿って、練習をする必要があります。
原則その3「個性を重視しない」
これも、誤解を生みそうな原則ですが、子どもの絵を評価するときに、自由に描かせて、「子どもらしい絵」「個性あふれる絵」が描けた、と言って喜んでいる教師や親たちは、たくさんいます。
それ自体は、何も問題はありません。
実際、”子どものころにしか描けない絵”というものは確かにあり、それは是非、ご自宅で永久保存しておいてほしいのですが、「個性」だけを年齢に関わらず美術教育の主な目標にしてしまうと、おかしなことになります。
まず当然のことですが、個性は誰にでもあります。
私はよく低学年の小学生にパステルで“虹”という課題を与えますが、同じ材料で、同じ手順で、同じ面積を同じ色でぬるだけの課題でも、8人いれば8人分の個性的な作品ができます。
さらに、3色でかく水彩画になると、それぞれ選ぶ色も違うし、描くモチーフも自由にすると、似ているところが少ないくらい、個性がでます。
人と違うこと、個性的なのは、当たり前なのです。
絵が上手くなるためにまず教えるべきは、普遍的な原則であり、世界共通の技術です。また、全ての創造力の土台となる、感覚体験の積み重ねです。
それがあやふやなのに、個性を出せ、と言われても、それは貧弱なものにしかなりません。
技術を全て身につけた時、ようやく人と違った個性が生きてきます。伸ばすこともできますが、まずは基本なのはスポーツと同じことです。
シュタイナー教育では、幼児期に一番強く表れるのは模倣の力、と言われています。
お話でも運動でも、お絵かきでも、先生の動きやお手本をそっくり、そのまま真似ることが、子どもたちにとっては安心であり、のびのびと学ぶことができるのです。
逆に、その時期に自立を促し「自分で考えなさい」「個性を出して自由に描いてみなさい」と突き放されることは、子どもにとっては非常に不安であり、自信をなくす要因になります。
そしてこれは、実際の公立小学校の現場でよく起こっている光景です。
私の授業では、フォルメンでも、にじみえでも、お手本があり、やり方を一から丁寧に教え、描きなれて自信ができてから、最後にちょっとだけ自由課題をだしています。
割合でいうと、9対1くらいですが、それで、十分です。
結論:個性重視はやめましょう。あくまで優先すべきは原則、法則なのです。
原則その4 「道具を厳選する」

巷に出ている絵の技法書には「鉛筆一本でかける」「ペンだけで・・・」「色鉛筆だけで・・・」などと、手軽に始められるようなタイトルが多いのをご存知でしょうか?
それは本を読者に買ってもらうようにハードルを低くしているので、仕方ないのですが、学校での授業やご家庭での絵の練習においては、何をおいても道具は厳選したいものです。
たしかに、絵を描きなれている人ならHBのエンピツでも、ボールペンでも、立派にスケッチやデッサンができます。「弘法筆を選ばず」です。
しかし、それは相当基礎ができている上級者だからこそできることで、初心者や子どもにとっては、厳選した質の良い画材、紙、材料が上達において必要不可欠です。
なぜなら一番の理由は、完成した時の見た目、ビジュアルのクオリティが全く変わってしまうからです。
よく「絵は制作の過程が大切であって結果はこだわらなくていい」とする美術教師がいますが、とんでもない、と思います。
教師は美術の専門家ですから、次々と制作を続けて最終的に傑作ができればいいのですが、子どもにとっては一期一会、できたものが「どう見ても汚い絵」だと、そこで終了になる可能性が高いのです。
そして、絵というものは善し悪しが一目でわかる、誤魔化しのきかないものであります。
自分が時間をかけて、がんばって完成させた絵が、どう見てもみすぼらしいと、たとえ先生や親が褒めてくれても、自分では納得できず、自信を失ってしまうのです。
しかし、同じ方法で描いていても、別の画用紙や別のクレヨンを使っただけで、見違えるように素晴らしい絵になることが多々あります。(勿論適切な課題が同時に必要です。)
画材のせいで、実際より下手に見える絵はたくさんあります。
逆に言えば、質の良い画材を使えば、最初の一枚から子どもを感動させ、絵を描く魅力に目覚めることは、十分ありうるのです。
そうなると子どもは自信がつき、「もしかして、僕って絵が上手いのかも?」とたくさん描き、ますます上手くなるという好循環がはじまります。
「でも、最高級の道具を揃えたら、いくらかかるのやら・・・」
という方もいるでしょう。それでは、具体的にお値段を考えてみましょう。
私が常にお勧めしているみつろうクレヨンは(一番小さいセットで十分ですが)1800円くらいです。
クレパスのように柔らかくないので、普通に使っていれば、数年は無くなりません。
デッサン用の鉛筆は一本100円くらいのもので、よいです。私は予備校の頃はブランド志向でステッドラーというメーカーのものを揃えていましたが、それでも150円くらいでした。
HBを中心にB、2B、4B、、2Hの五本もあれば十分です。必須の練り消しゴムは80円くらいからあります。
にじみ絵をかくなら、水彩絵の具は小さいチューブで300円くらいですが、12色セットはいりません。バラで3色買えばよろしい。水彩のレッスンで教えますが、水彩画は基本三色で描きます。
また、筆は安いもので十分です。パレットや水入れは100円ショップで揃えましょう。
紙は普通の画用紙ではなく、水彩画用の厚めのものが良いですが、1000円程度のスケッチブックだと保存のしやすさからおすすめです。額に飾りたいときは切り離します。
パステル画も是非、カリキュラムに取り入れてほしいのですが、一本320円くらいで、これは6色必要です。一本で数年は持ちますので2000円くらいですね。これだけは、安いもので代用がきかないのですが、あると絵の世界が一気に広がるのでおすすめです。
油絵のセットを買うと軽く一万円以上しますが、上記の画材を全て揃えても、8000円くらいでしょう。
一気にそろえようと思うとかなり高いと感じるかもしれませんが、子どもが小さい頃はクレヨンのみ、小学校に上がったら水彩絵の具とパステル、と順番にそろえていけば、それほど大きな負担ではないかと思います。
とにかく、道具の良さは本当に重要です。
子どもの絵心をすこやかに伸ばしたいのであれば、道具や材料にはたっぷりと初期投資をしてください。
もちろん、大人の場合も同様です。
もし、本気であなた自身の絵心を育て直したいのであれば、上記の画材を大人買いしてください。
原則その5「作品を尊重する」
以前、ネットで美術の参考になる書籍を探していて、「これは秀逸だなあ」と思って購入した本のタイトルが『ゴミ箱行きにならない小学生の自由研究:作って飾れるインテリア工作』でした。
小学生のお子さんをもつお母さんたちのグループが作った本で、内容もよかったのですが、母親としての本音がコンセプトに現れており、とても共感しました。
現実として、小学校や中学校で作った作品をいつまでおっておくべきか、親としては悩みの種ですよね。
ネットでも、どのくらい期間をたてば、捨てていいのか、あるいはとっておくべきか、議論されているようです。
私の答えはシンプルです。
お子さんの作った作品は、原則として永久保存です。
一生とっておいてい下さい。
そして、お子さんが大人になったら、作品集として渡してあげて下さい。
「そんなの、無理です!家がゴミ屋敷になっちゃう」
という声が聞こえてきそうですが、私がこう言い切るのには、もちろん理由があります。
親としては、ふつう、こう考えます。
(図工の時間は楽しい時間を過ごたみたいでよかったわ。作品もよくできたね、と褒めて子どもも満足そう。・・・でも、すぐに忘れてしまったし、子どもも別に気にしていないし、客観的にみて、それほどきれいなモノじゃないし、そろそろ捨ててもいいわよね・・・・)
そう思われるのも、よくわかります。実際、図工の先生も、長く保存することを考えて課題を決めている人は余りいません。(それはそれで問題ですが)
しかし、考えてみて下さい。
子どもとはいえ、人が何か作品を作るというのは、芸術家の創作活動そのものです。
芸術家が自分の作品を作るということは”魂をこめて、わが分身を生み出すこと”つまりわが子を生み出すことと同じです。
ですから、作品(わが子)を褒められれば我がことのようにうれしいし、誇らしく思います。(最近はやりの)自己肯定感が一気に高まります。
逆に作品(わが子)をけなされたり、貶められたら気分は落ち込みますよね。
どうしようもない怒りが沸々と沸き上がり、自分を侮辱された時より悔しいでしょう。それは、それだけ作品に思い入れと愛情をこめているからです。
ですから、子どものころに絵をバカにされたり、ないがしろにされると、致命的なトラウマとなるのです。
さて、ある日。お子さんが、学校から作品を持ち帰りました。結構、自慢の出来でした。
学校では先生にも友達にも褒められ、家でも褒められて、誇らしい気持ちでいっぱいになりました。リビングの戸棚の上に飾って眺めることにしました。
・・・・・・・それが、ある日、こっそり捨てられていました。
そのことに気づいたとき、その子はどう思うでしょうか。
(・・・本当は、そんなに大切に思ってくれてなかったんだ)と感じ、自己肯定感は落ち込み、絵や工作に対する情熱や愛情も封印したくなるかもしれません。
その場では気づかなかったとしても、大人になって「そういえば、小学校の時に描いてた絵ってどうした?」と尋ねた時、
「え?捨てたけど?」と言われたらどうでしょう。
まあ、そうだよね・・・と納得はしつつも、一抹の寂しさを覚えないでしょうか。
私が大人になって実家に帰り、ふと思いだして母に同じ質問をしたことがあります。
すると母は「押し入れの長持ちに全部とってあるわよ」といい、何箱もある段ボールを見せてくれました。
そこには幼稚園の時の絵から作文まで全部取ってあり、よく取っておいてくれたと驚くと共に感動したことがあります。
母は小学校の教師だったので、子どもの作品の大切さ、尊重することの重要性に気づいていたのでしょう。(別に私に芸術の才能があることを見抜き、将来的に価値が出ると思ってとっておいたわけでは、ありません)
どんな子どもでも、そうすべきなのです。
話は変わりますが、シュタイナー教育を日本に紹介した子安美知子さんが、本を書くためにドイツでシュタイナー学校の卒業生を取材した時のことです。
シュタイナー学校ではエポックノートというスケッチブックのようなノートを使います。
そこに図やフォルメンを書いていくのですが、みつろうクレヨンを使うので見た目もとてもきれいなのですね。
それを取材した中高年の卒業生は全員、大事に取ってあり、誇らしげに見せてくれたそうです。
そして子安氏は「参考にしたいので一冊だけ、譲ってくれませんか」とお願いしたそうです。
しかし、これだけは絶対にだめ、と全員に断られたそうです。
それほど、エポックノートは卒業生にとって大切な授業の記録であり思い出であり、同時に大切な作品そのものなわけです。
ちょっと、日本の学校では考えられませんよね。
あなたに、今でもとってあるノートはありますか?私はありません。
少し話はそれましたが、美術の作品もそうあるべきだと思います。そしてそれに見合うだけのクオリティの作品だけを作らせるのです。失敗させずに。
しかし、今の状況で「子どもの作品を全部取っておくのは、現実的には無理・・・」というのもわかります。
なので、ここで、一つの解決策を提示します。
あなたが、子どもに指導する立場の場合は以下のことに注意してください。
①作品の質、クオリティを上げること
やっつけ仕事で、作品を量産するのではなく、時間をかけてもいいので、最低10年はリビングルームの目立つところに飾れるようなクオリティにして下さい。
使い捨て前提のおもちゃならともかく、美術作品牛乳パックやペットボトルをつかったリサイクル工作はやめましょう。
3ヶ月と持ちません。
②保存しやすい形にすること
平面作品は基本的にスケッチブックに描いていく。立体作品に関しては、自宅のインテリアとして、実用に耐える耐久性とクオリティを備えたものしか、作らない。
たまに大きな作品を作ってもいいのですが、それは写真や動画で保存し、できればアルバムに入れる。
・・・・ということで、解決できると思います。
もちろん、それでも全てを保存できるわけでもありません。
私の最近の授業の中でいうと、普段は基本的に10年保証もの(笑)を作っていますが、ラバ・ランプといって、重曹をいれるとボコボコと水玉が舞い上がるインテリア工作を作りました。
それはとても面白い工作でよかったのですが、毎回、泡を出すために重曹を入れていくので、だんだんと劣化していきます。これは残念ながら期間限定の作品でしたが、こういう場合は動画と写真で保存します。
というわけで、子どもの作品は、今から、どんなものでも保存していって下さい。
それは子どもの心の成長にとって、とても大切なことです。
このサイトで紹介している課題の作品は、基本、永久保存を前提に考えているので大丈夫ですが、普通の図工で作ったものは大きいものは写真で取っておくでも構いません。
そして、かならずデジタルではなく、すぐ手に取れるアルバムにして下さい。自分の作品をいつでも見返すことができて、人にも見てもらえる。
それが、絵心を育むためにどんなに重要かは、まさに想像以上なのです。
まとめ
以上の五原則は、多少変わることがあるかもしれませんが、今のところ、絶対的に不可欠な要素だと思っています。
それでは、いよいよ次回から実際にカリキュラムを公開していくつもりですが、是非、この五原則をときどき思い出して下さいね。
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